#198 岩手県一関
2007年7月17日O.A
猊鼻渓を守りし男
砂鉄川の両岸に絶壁が連なる名勝・猊鼻渓。この渓谷の美しさを世に広めたのは、漢学者の親子でした。父の名は佐藤洞譚、息子の名は猊巌。二人はこの地に生きた教育者でした。明治時代を迎え、父、洞譚は、この美しき渓谷の魅力を広める運動を始めました。しかし志半ばで世を去ってしまったのです。
その遺志を継いだのが、息子である猊巌。彼は谷から突き出た鍾乳石が獅子の鼻(猊鼻)に似ていることから、渓谷を猊鼻渓と命名しました。そして猊鼻渓を紹介する漢詩を作り続けて、この地の美しさを広め続けたのです。その思いは実り、猊鼻渓は旅人が訪れることの絶えない景勝地となったのです。
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