#197 岩手県平泉
2007年7月10日O.A

  • 金色堂に込めた想い


  • 平安時代に奥州藤原三代が築き上げた黄金の都・平泉。この都の繁栄ぶりを今に伝えるのが、中尊寺金色堂です。
    この仏閣に納められた美しき仏像の数々。そこには、独特の配置が施されています。従来、阿弥陀像と共に並べられるのは、観音、勢至の二菩薩のみ。しかし金色堂には、併せて6つの地蔵菩薩が並べられています。この配置は、従来の阿弥陀様の力だけでは、救われない生命も救いたいという陸奥の人々の思いによるものからなされたもの。6体の地蔵菩薩の力を借りることで、人間以外の生き物たちの幸せをも願ったのです。つまり、この仏像群は、奥州の人々の慈悲の深さの象徴なのです。そんな思いを込めた阿弥陀様と六地蔵は、現在も陸奥の地より、この世の生きとし生ける全てのものの幸せを願い続けているのです。

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