#190 栃木県奥日光
2007年5月22日O.A
キノコのようにナチュラルに〜レーモンドと奥日光〜
豊かな緑に囲まれた中禅寺湖畔。戦前、この地には各国の大使館別荘が立ち並び、『日光は夏場の外務省』とまで呼ばれていたそうです。
そんな中禅寺湖畔に残る名建築が、旧イタリア大使館別荘。
この別荘を建てたのが、ボヘミア出身の建築家・アントニン・レーモンド氏。
日本に現代建築の技術を紹介したことで知られるレーモンドですが、そもそもはコンクリートの打ちっ放し建築を手がけることで有名でした。しかし、旧イタリア大使館別荘を建築するにあたっては、中禅寺湖畔の自然との調和を重んじ、「自然の中で、キノコみたいに当たり前に生えている家が一番いい」というコンセプトのもと、杉皮を多用し、風景に溶け込んだ建築を作り上げたのでした。
名建築家が作り上げた美の空間。今もなお訪れるものすべてに感動を与えてつづけているのです。
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