#177 千葉県九十九里
2007年2月13日O.A
世界を揺るがせた波濤 〜名匠・波の伊八〜
世界美術史に名を残す巨匠・葛飾北斎。彼の代表作といえば「富嶽三十六景」の「神奈川沖浪裏」。大胆に波が荒れ狂う様を描いたこの作品は、ゴッホ、セザンヌ等、フランス印象派の画家に影響を与えるにとどまらず、音楽家ドビュッシーの名曲「海」にインスピレーションを与えるなど、19世紀ヨーロッパの芸術に大きな影響を及ぼしました。
その北斎が「富嶽三十六景」を描く上で大きく影響を受けたといわれている彫刻師が波の伊八。「関東へ行ったら波は彫るな。伊八がいるから恥をかくぞ」といわれてきた北斎が、伊八のことをどれだけ恐れていたかは言うまでもありません。
伊八は房総の海岸で毎日波を見続けることで斬新な波のスタイルを生み出しました。北斎は、このデザインにヒントを得たといわれています。伊八の情熱が生み出した波濤のデザインは、こうして北斎等の手を経て、はるか西欧の芸術家の心をも震撼させたのです。
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