#170 秋田県田沢湖
2006年12月19日O.A

  • 友の讃えし美景 〜斉藤茂吉と平福百穂〜

  • 日本一の水深を誇り、琥珀色の湖水が印象的な湖、田沢湖。この場所は文人をはじめ多くの人を魅了してやまない場所として知られています。
    そんな田沢湖の美景を亡き友・平福百穂から聞きつけ、一度訪れたいと思っていた人がいます。彼の名は斉藤茂吉。

    百穂の生前にその地に訪れることができなかった茂吉。しかし、百穂の没後、彼の讃えた美景と友の墓参りをしたいとの思いを胸に、田沢湖に足をはこんだのです。
    田沢湖の地を歩きまわり、短歌を作成。歌集「白き山」の中に11首の短歌を残しました。その中に、亡き友との思い出を詠った歌が一首あります。

    「白濱のなぎさを踏めば亡き友のもはらごころの蘇へりくる」

    田沢湖の風景を散りばめながら亡き友・平福百穂の思い出を切々と吐露した作品。茂吉と百穂の絆の固さが伺えます。
    美しき風景を眺めながら友に想いを馳せた場所。田沢湖は、茂吉と百穂を繋ぐ大事な場所だったのです。

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    (C)フジテレビジョン