#148 信州 松代
2006年7月11日放送

  • 名君・真田幸貫〜真田の町の静と動〜

  • 松代藩藩主であった真田家が十代にわたって治めた町・松代。
    ここは閑静な町並みがゆったりとした時間を感じさせ、今も剣道や弓道をはじめとする武道が盛んで活気ある声が響いている町です。
    松代における真田十代の中でも、名君の一人と呼ばれる8代・真田幸貫。
    幸貫は藩政において有能な人材を多く登用して洋学研究に当てるなど、幕末期における人材の育成に努めた人物であり、領内では文武奨励、産業開発などに努め、藩政改革において多くの成功を収めた人物であり、名君と呼ばれました。
    そんな松代には、後世に受け継ぐモノも多く残っています。
    その一つが、文武学校。
    幸貫が発案し、9代・真田幸教によって完成した文武学校は安政2年に開校、明治4年に閉鎖するまで、近代日本における重要な人物を輩出した藩校でした。
    松代藩の文武学校が特徴的なのは、儒教が教える道徳の部分や弓道・剣道などといった日本人としての大切なモノを残しつつも、多くの藩校で教えられている儒教的な儀式を廃し、西洋の軍学を教えたことであり、極めて先進的な教育を行ったところにあります。
    また、泉水と呼ばれる水路があります。この水路は、単なる風流のために作られたわけではありません。洪水に悩まされていた松代の街において遊水的な役割を果たし、洪水を緩和する都市システムだったのです。
    泉水を中心に綺麗に整備された町が、後に「信州の小京都」とまで呼ばれる街並みを形成することに繋がったのです。
    幕末期の名君とまで呼ばれた幸貫が治めた町は、文武両道の精神を受け継ぎながら、今も当時と変わらないゆったりとした時間を刻んでいます。

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    (C)フジテレビジョン