#142 北海道 江差
2006年5月30日放送
ニシン王国江差
ニシン漁と廻船業で栄えたこの町には、今でも当時の趣きが色濃く残っています。
「江差の五月は江戸にもない」とまで謳われた江差の街。5月のニシンの豊漁時に合わせ北前船が来航し、廻船業で街全体が賑わい、江戸よりも華やかな時期だという事を表した言葉です。
そんな江差の街に残る文献の一部には、「右の手でにしんを渡して、左手でお金を受け取るように、すぐに商いになる…」。「男は、海の上で働き、女は、モッコを背負いや、にしんを潰し、子供達もにしん仕事を手伝った…」など、当時、江差の街がニシン漁で景気に沸き、生活の中にニシンが深く関わっていた様子が分かるものが残っています。
そして、お米が取れない江差の人々にとって、豊漁のニシンが、生活を支えていたため「ニシンは魚に非ず、米である」という発想が生まれたのです。
そんなニシン王国江差の繁栄は、今もなお、街の至る所に見られ、情緒ある雰囲気が残っています。
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(C)フジテレビジョン