#140 富山県 五箇山
2006年5月16日放送
詩人が守り伝えた旋律〜西条八十とこきりこ〜
世界遺産である合掌造りの家が点在する五箇山。この地では、日本最古ともいわれる民謡こきりこが歌い継がれてきました。竹や鍬金で作られた楽器を伴奏として唄われるこの民謡は、聴くものに郷愁を感じさせてくれます。
ところが、こきりこも明治以降の近代化とともに忘れ去れた存在となりました。そんな中、この民謡の存続の危機を救ったのが詩人・西条八十です。「かなりや」、「肩たたき」などの童謡で知られるこの詩人は、民俗学者・柳田国男から聞いたこきりこの話に深い興味を示しました。
そして、西条は五箇山を訪れ、こきりこを唄い継いでいる人物を探し出し、取材し、伝統の保護に努めたのです。
西条が訴えた、すばらしい文化を残す為の努力は実を結び、こきりこは、存続に成功。今も、この地を訪れる人々の耳を楽しませ続けています。
[0]もどる
(C)フジテレビジョン