#138 石川県 加賀温泉郷
2006年5月2日放送
新生の地〜北大路魯山人と山代温泉〜
料理、陶芸などのジャンルで活躍し、芸術家かつ美食家として大きな足跡を残した北大路魯山人(きたおおじ‐ろさんじん)。彼の人生における分岐点となった地が、山代温泉です。
大正4年(1915年)、書や篆刻(てんこく)を生業としていた魯山人は、仕事の関係で、しばしこの温泉に滞在しました。
その折、風流を解する山代温泉の旦那衆や九谷焼の窯元たちと出会い、大きな刺激を受けます。高い美意識を持って生きる彼らとの出会いを経て、魯山人は料理と器が織り成す総合芸術を生み出したいという大志を抱くようになったのです。
つまり、この温泉に滞在したことをきっかけに、彼は書家から総合芸術家へと新たに生まれ変わったのです。
それゆえ新生の地・山代温泉を生涯愛し続け、この地の人々との交流は晩年まで続いたそうです。
このような物語を持つ山代温泉には、今も魯山人の思想を受け継ぐ料理が残されているとのことです。
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