#134 栃木県鬼怒川・湯西川
2006年4月4日放送
平家落人伝説〜伝え続ける想い…〜
福島県との県境の山間に位置し、平家の落人の村として、広く知られる湯西川温泉。
壇の浦の戦い(1185年)に敗れた平家の落人、平忠実(たいらただざね)は家臣と共に、川治の最高峰鶏頂山に身を隠し、追っ手をさけての生活を余儀なくされます。
ある日、忠実は山をおり川岸を散策していると、温泉が湧き出るのを発見して驚き、喜びました。
そして、忠実は温泉の湧き出る所ならば子孫のうち、誰かは温泉を掘り起こすであろうと、由緒深き伝来の宝物、武具、鎧、兜、金の延べ棒等を秘かに埋めました。
その後も温泉の事を漏らさず一族と共に不自由を忍び深山の生活に甘んじ続けた忠実一行は、源氏の追っ手から身を隠すため、時をつげる鳥も飼わず、五月の節句の鯉のぼりなど、人に目につく行事を避け、猟を生計に、山奥での生活を続けました。
そして時が経ち1573年。伴対馬守(ばんつしまのかみ)が、湯西川の川岸を散策していると、雪が降っても、降っても積もらない所を発見しました。よく見ると、こんこんと湧く温泉がそこにはありました。そして、湯元を掘り起こしていると、沢山の財宝が出て来たのです。
その後、川岸、川の中より多量の源泉が発見され、その湯量の豊富さを誇り、今では栃木県、屈指の湯治場となりました。
そんな湯西川温泉では、今日でもなお、先祖が生きる為に貫き通して来た伝統を、大切に守り、子孫に伝え続けています。
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