#125 千葉県大多喜町
2006年1月31日放送
日墨交流事始〜ロドリゴ総督と大多喜〜
上総の山々に囲まれた城下町・大多喜。歴史を感じさせる商家や旅館が立ち並ぶ様は、古きよき時代を髣髴(ほうふつ)とさせます。
この町並みとは、一見ミスマッチ。そう思えるエスニックなデザインが施されたタイル道が存在します。道の名は、メキシコ通り。
その起源には、400年ほど前の美談が秘められています。江戸時代初期にあたる1609年、メキシコへの帰途につくはずだったロドリゴ総督を乗せた帆船は、嵐に遭遇。御宿の浜辺へと漂着しました。遭難した彼らを手厚くもてなし、帰国の便宜を図ったのが、大多喜城主・本多忠朝でした。異邦人に分け隔てなく接した忠朝等、房総の人々の善意にロドリゴは大いに感動。「日本見聞録」を綴り、後世にその善意を伝えました。
これが、日本とメキシコの交流のはじまりといわれています。そして、この善行をメキシコの人々は忘れることはありませんでした。1978年には、メキシコ大統領が、大多喜を直々に訪問。房総の人々に感謝の言葉を述べたのです。
そして、この大統領訪問を記念して、メキシコ通りを整備。この通りが、日本とメキシコの親密なる交流史を今に伝えているのです。
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