#114 青森県十和田湖
2005年11月8日放送
胡桃の中に美あり 〜泉鏡花と十和田湖〜
東北を代表する景勝地・十和田湖。その美しさが広く人々に知られたきっかけは、昭和2年に起きたムーブメントにありました。
それは東京日日、大阪毎日両新聞社の主催による「日本八景」選定でした。
今までの文人趣味を脱し、純粋に日本の中で最も美しい風景を選ぼうというこの運動。それは大きな話題を呼び1億に近い応募があったそうです。その際に最も美しい湖に選ばれたのが十和田湖でした。
そして、この美しさをより広く人々に伝える紀行文を書く仕事を受けた人物。それが幻想小説の大家・泉鏡花でした。
鏡花は、はるばる訪れた十和田湖の美しさに感動。その美景を胡桃の実の割れ目に、青い水を湛えた様子に似ていると記しました。独自の視点に満ちたこの文章は、美に触れたい人々の心を呼び覚ましたのです。
それ以降、十和田湖の美しさは、誰もが知るところとなったのです。
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(C)フジテレビジョン