#97 福島県会津若松
2005年7月5日放送

  • オモチャが秘めた会津の心〜起き上がり小法師〜

  • 豊臣秀吉の天下統一の後、会津の地を治めることとなった武将・蒲生氏郷(がもううじさと)。 彼は商工が盛んな近江の出身であったため、その地方の特産物を増やす政策の知識に長けていました。そんなこともあり、氏郷は会津の地に数々の産業を興して豊かな地とすることを心に決め、幅広い活動を繰り広げ、その結果、酒・漆器等が大きく発展することとなりました。

    その中の一つ、氏郷が推奨して生まれた会津若松を代表する郷土玩具・起き上がり小法師は、氏郷が貧しい下級藩士の生活を楽にできればと思い発案したもので、内職のひとつとして製作すること提案しました。

    「転んでも転んでも起き上がる」というこの玩具は、ただの名産ではなく、幾多の困難を乗り越え、その地を潤わした会津人の不屈の魂が表され、この地での生活を送る上で、かけがえのない存在になっていきました。今でも正月には初市が立ち、その年も家族や財産が増えるようにと、願いを込めて、神棚に飾り正月を祝う風習が残っており非常に縁起の良い会津最古の民芸品になっています。

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    (C)フジテレビジョン