#76 青森県大館市
2005年1月25日放送
毛皮を着た天使
"奇跡の人"ヘレン・ケラーが昭和12年に来日した際、秋田も訪れ「忠犬ハチ公」のエピソードを聞き、大きな感銘を受けた。そして動物好きのヘレン・ケラーが「秋田犬をぜひアメリカへ連れて帰りたい」と希望したため、秋田市の小笠原一郎氏が大館の高橋多吉氏の神風号を贈呈した。これがアメリカに渡った秋田犬の第1号であった。神風号はヘレンにたいそう可愛がられたが、2年後ジステンパーで死んでしまうと、つづいてその兄犬、剣山号が贈られた。
ヘレン・ケラーは後に手紙で「秋田犬ほど主人の気持ちが分かる犬はいない。生後5ヶ月でこんなにまで献身的な犬は知らない。"毛皮を着た天使"があるとすれば、それは神風号であると言えましょう。」と語ったという。神風号と剣山号は、戦争に向かう日本とアメリカの間で、ささやかな平和と友好の使者として海を渡り、秋田犬の名を世界に知らしめた偉大な犬である。
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