#75 青森県十和田湖
2005年1月18日放送

  • 乙女の像に込めた想い

  • 十和田湖畔休屋の御前ヶ浜に建つ「乙女の像」。詩人であり彫刻家でもあった高村光太郎の傑作、遺作である。
    昭和27年、彫刻家としての活動を休止して岩手県の山荘で過ごしていた高村の元に、青森県より銅像製作の依頼が来た。景勝地十和田湖畔にふさわしいものを、というものだった。初めは慎重だったが、実際に赴いて十和田湖の奇跡のような風景を目の当たりにした時、いくつものイメージが湧き上がった。そして「こんな素晴らしい風景の中に智恵子を残したい。」-そう思ったという。
    それから1年後、出来上がったものが、向かい合って立つ二人の乙女の像だった。
    消えかけていた高村光太郎の創作の炎を甦らせたせたのは、智恵子への愛と十和田湖の情景であった。

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