#73 青森県弘前市
2005年1月4日放送

  • 洋風建築の先駆者 堀江佐吉

  • 佐吉は津軽藩の城下町弘前で、津軽藩のお抱え大工・堀江家の長男として生まれた。明治12年(1879)、父の死によって家督を相続した佐吉は、開拓ブームに沸く北海道へと渡る。函館で工事に従事する傍ら、ハリストス正教会、開拓使博物館など、本格的な洋風建築を見て回り、構造を研究した。
    「なんて凄い建物なんだ。」――10代だった堀江佐吉は、そんな衝撃を受けた。
    「何をやっても自由なんだ」――佐吉の発想と独創は広がった。
    弘前にもどった佐吉は、明治22年(1889)函館での経験を活かし、洋風建築の東奥義塾高校を設計・建設した。
    その後、青森県内に次々と擬洋風建築を建て、明治35年(1892)ついに第五十九銀行本店の建設に着手し、2年の歳月をかけ明治37年(1894)完成した。佐吉が58歳の時。
    その後、明治40年(1907)に亡くなるまで、弘前図書館や師団社交場としての偕行社、太宰治の生家(斜陽館)など、伝説の洋館建築の先駆者・堀江佐吉が建てた建造物は、今でも弘前に沢山残っている。

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    (C)フジテレビジョン