#69 秋田県秋田市
2004年11月30日放送
勝平得之と秋田の風景
故郷・秋田を愛し、秋田の風景や生活を一枚の板に描き続けた版画家・勝平得之。明治37年(1904年)生まれの勝平の創作活動は、下駄屋に行って朴(ほお)の板と小刀を買ったのが始まり。見よう見まねで作り、その後独自の版画ワールドを打ち立てた。
彼がテーマにしたものは、秋田に暮らす子供たちの遊びや、働く農民たちの姿。郷土の自然と風土に対する深い愛情、失われゆくものへの愛惜の心が溢れている。妥協は許さない、自分に厳しい人で取材、研究には労を惜しまなかったという。秋田を深く愛した彼は晩年こう語っている。
「全ての行いの裏側にあるものを大切にしたい。そこには生きるための長い人生の体験から生まれたものが沢山あるから。特に民間伝承については、よいものは家でも村でも、これを守り伝えたい。」
彼の作品は、赤れんが資料館に併設される・勝平得之記念館で見ることができる。
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