#65 宮城県鳴子峡
2004年11月2日放送
火の神 竈神
昔、ある家に醜い顔をした男が尋ねてきて「雇ってくれ」といった。当家では娘が病気で長い間床についており、余裕もないので断ろうとは思ったが、倒れていた蓑を土間の隅に立てかけて入ってきたので、見所があると思い、火焚きとして雇った。
娘の病気は神に願っても医者に見せても治らない。そんな傍ら、娘がかの火焚き男と結婚したいと言い出した。この男が婿になったらどうだろう、娘の病気はみるみる治り、家もますます繁盛した。この火焚き男を祀ったのが竈神だという。今でもこの地方の旧家の土間の柱の上には、土や木製の恐ろしい面が掲げられ火の神として祀られて、その家の家内安全や繁盛を願うという。幼い子供がいる家庭では、悪いことをすると「竈神さまが見てるよ」「竈神さまにお仕置きされるよ」などと、怖い存在として躾の神の役割も果たしたという。
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