#50 山形県 羽黒町
2004年7月13日放送
庄内おばこ
江戸時代、出羽三山参りの道者の群れでにぎわう羽黒街道に「八兵衛茶屋」と呼ばれる茶屋があった。この茶屋には「あの娘の顔を拝まないでは三山参りに来た甲斐がない」と言われるほどの美しい娘「おばこ」という一人娘がいた。
「おばこ」目当てに「八兵衛茶屋」に立ち寄らない道者は一人もいなかったので「八兵衛茶屋」はたいそう繁盛した。
その頃、大庄屋の伊藤帯刀蔵人はおばこの美貌に惚れ込んでいた。しかし、身分の違いから茶屋通いをするわけにもいかず、思案のあげくようやくおばこを宴に呼ぶことに成功した。そこで帯刀とおばこは一夜の恋に落ちた。まもなく清之助という男の子を生んだおばこに、堅気者の父は激怒。武家社会の封建制度に2人の恋は無惨に断たれたのです。悲しんだおばこは生涯を独身で通す決心をした。
その後、20年の月日が流れても彼女の天性の美しさと色香はいっこうに衰える事なく「八兵衛茶屋」はますます繁盛した。
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