#40 秋田県 男鹿市
2004年5月2日放送
能登山の悲恋〜椿に託した永遠の愛〜
来年の秋には椿の実を持って必ず帰ってくると約束して能登の国に向かった若者が、翌年の秋にはとうとう帰ってこなかった。その翌年の秋にも若者は戻ってこなかったが、そのころ村には、若者が乗った船が難破して沈んだらしいと言う噂が広まった。しかし、娘はその噂を信じず約束の年から3年目の秋を迎えたが、若者はやはり帰らなかった。寒い冬が男鹿半島に訪れたころ、若者は噂どおり死んだのだと思い込んで、能登山から海に身を投げて死んでしまった。若者を恋う娘の心に同情した地元の人たちは、能登山の頂上に娘の墓を建ててやった。
ところが、能登の国で仕事に追われて帰ることのできなかった若者は、4年目の春にようやく思いがかない、恋人への贈り物である椿の実を持って男鹿にやってきて、娘の死を知らされた。悲しんだ若者は、能登山の娘の墓のまわりに椿の実を撒き、自分の代わりに墓を守ってくれることを祈りながら帰っていった。やがて、その椿が芽を吹き、山全体を覆うようになったという…
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