#38 秋田県 八森町
2004年4月20日放送
立岩伝説(八森町)〜笛の音にこめた恋人への想い〜
いつのころか知らぬ遠い昔。滝に向かって一心に笛を吹く一人の若者がいた。笛の音は木の葉をふるわせ、波に響いて海の向こうに消えてゆく…滝の女神が水の音に託して授けた"天の秘曲"であった。 その曲に魅せられた若者の魂は、さらに幻の音を追い続け、恋人・雪のことを忘れていた。心変わりを嘆いた雪は、生き永らえて恨み続けるよりは…と、荒れ狂う海に身を投じたのだった。
その時から若者の笛の音が変わった。海岸に立っては懺悔の笛を吹き続け、雪の姿を求め続けた。来る日も来る日も海岸に立ちつくした若者は、とうとう磯辺にそびえる岩となった。そして、いつの日か雪の帰りを待ち続けるように、月に向かって立ち続けるのである。
[0]もどる
(C)フジテレビジョン