#36 茨城県 つくば
2004年3月30日放送
河童松
この沼には、昔から河童が住んでいました。河童たちは、畑のキュウリを食べたり、魚採りの網を切ってしまったりなど悪さをしました。困った村人たちは河童を退治することにしました。大変な格闘の末、河童を陸に引きあげることが出来ました。河童は大きな松の木にしばられ、三日三晩さらしものにされました。暑い夏の日であったので、河童の皿の水は、みるみる干し上がっていきます。元気のなくなった河童はついに四日目の朝村人に泣きながら詫びるのでした。
「これからは、いっさい悪さはしません どうぞ かんべんして下さい」
「そして 今までの罪ほろぼしにお百姓さんのお役に立ちたいと思います」
かわいそうになった村人たちは、河童を牛久沼にはなしてやることにしました。以来、畑も荒らされることもなく、また、沼で水浴びをしてもおぼれる人もなくなりました。お百姓さんたちは、大変喜び口々に言うのでした。
「あの河童が約束を守ってくれたんだ」
あの時の松は、村人から河童松とよばれるようになりました。
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