#35 茨城県 水戸
2004年3月16日放送

  • 誕生の梅

  • 「黄門様は本当は生まれてくるはずの子供ではなかったのです。」
     春の訪れとともに水戸の町が梅の花で彩られるのには水戸光圀出生の物語との関わりがあります。光圀の生母「お久」は立場の弱い新参の側室でした。そのため、側室間のしがらみなどを気にした父・頼房より堕胎を命じられていました。しかし、お久は頼房の命にそむき、密かに光圀を出産。産後は、光圀を家臣の三木仁兵衛に預けて後を託した。そして、今はまだ会うことのできない我が子の成長を祈り、お久は愛の証として三木の屋敷に梅の木を植えました。
    成長した光圀は、そのことを知り梅の木には格別の思いを抱くようになりました。現在、三木の屋敷があった場所に建てられた光圀生誕の碑には母の愛が託された梅を偲んで光圀が詠んだ歌が記されている。
    「朽ち残る老木の梅もこの宿の春にふたたび逢うぞ嬉しき」
    以降、西山荘、偕楽園など水戸藩の庭園には、梅の木を植えるようになったという。

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    (C)フジテレビジョン