#34 静岡県 熱海
2004年3月9日放送

  • 源頼朝と北条政子のラブロマンス

  •  頼朝は、平治の乱後、現在の伊豆韮山に流され、そこで北条時政の娘・政子と心を通じ合うようになった。政子は父の決めた婚姻をほごにして、伊豆山に隠れた頼朝の元に度々向かったと言われている。当時、世は平家の全盛期。そのなかで、父の意向に背き、頼朝と共に生きる選択をした政子の覚悟・頼朝への気持ちは相当のものだったに違いない。当時、勢力が弱かった源氏と縁組をするのは北条氏にとって命取りだったからだ。山木兼隆との政略結婚婚礼の夜、政子は宴席を抜け出し、一人逃亡。政子がたどったのは韮山からの山越え。足は石がめり込み血だらけだったという。それだけに頼朝と再会した政子は感無量だったはず。
     その二人が劇的な、出会い・再会を果たしたのが、熱海市の伊豆山・逢初川にかかる「逢初橋」。この橋は二人が何度も逢瀬を重ねて愛を育んだ場所。ここ伊豆山神社は「恋愛成就」の神が宿る。境内にある「ナギの木の葉」を身につけると好きな人と結ばれるという言い伝えもある。現在、境内では「ナギの木お守り」が男女用のセットで売られ恋愛守りとして名高い。境内には同じく、「こしかけ石」という頼朝、政子の愛し合う二人が座って語らいあった石も残っている。そんな恋愛伝説が、未だ生き続ける熱海市はロマンス溢れる古めかしい温泉街である。

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    (C)フジテレビジョン