菊田早苗 VS. 瀧本誠 PRIDE男祭りで究極の寝業師対決!
文・李春成
対戦候補にはゲーリー・グッドリッジも上がっていたが、この乱暴者は菊田より20kgも重く、また菊田とは対極にあるストライカータイプだ。そのため二人の候補のうち、彼はヘンゾを選ぶしか道がなかったのだ。だが今となっては、あとの祭りである。苦い思い出だけが、重たい沈澱物のように心の底に残った。
同じ年の11月、東京ドームで高田道場の松井大二郎とフルラウンドを闘った。この数十分前に、前回も同じリングに上がった小路晃の試合が行なわれている。前回ジュアン・モットに1R裸絞めで勝利した小路が、この日はヴァリッジ・イズマイウにレフェリーストップで完勝した。その光景を目撃した菊田は、またたくまに動悸が速くなる。
「僕は前回、ヘンゾに負けてるので、もうあとがないという状況に追い込まれてしまったんです。松井選手から簡単に一本を取らないと、小路選手にもっと差をつけられてしまう。そんなことを考えてたら、体がガチガチになってしまったんですよ。なんでそこまで精神的に追い詰められる理由があったのか、今では不思議でしょうがないです。なんだかんだ言っても、結局、経験が足りなかったということですよね。あんなに動揺しちゃったんですから」
苦難続きの菊田に変化の兆しが見え始めたのは、99年からパンクラスを主戦場とするようになってからだ。寝技集団の「GRABAKA」を立ち上げ、菊田をはじめとする仲間たちがパンクラスマットを席巻し始めたのだ。
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