SUPER AGURI F1 TEAM代表 鈴木亜久里
インタビュー・文/尾張正博

Q. ドライバー時代と、オーナーでは、どちらが大変ですか。

A. 比べものにならないくらい、今のほうが大変。だって、すぺての領域に目を配らなければならないんだからね。特に去年から今年のように、ゼロから立ち上げるときというのは、組織が順調に動き始めるまではものすごいパワーが必要となる。動き始めれば、あとは個々のパートのスタッフがきちんとやってくれるはず。優秀な人材をそろえたつもり。でも、今はまだそこまでいってないから、大変だよ。ドライバー時代に比べたら、100倍大変(笑)。

Q. じゃ、表彰台に上がったら、100倍の喜びが待っている?

A. そうかもしれないね。でも、今は正直、そんなこと考えられないくらい大変だよ。開幕して今日まで、一度もうれしいと思ったことはない。常に『次に何をしなければならないか』を考えている。もちろん、並ぶはずがないと思われたマシンが2台、バーレーンに並んで、完走するはずがないクルマが完走できて、それはそれでうれしいことなんだけれど、頭の中は次のことでいっぱい。ひとつが達成されれば、またひとつプレッシャーが生まれるっていう感じ。たぶん、F1オーナーをやっている限り、心から喜ぶなんていうことはないんじゃないかと思う。

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