◎インタビュアーの目
ほんとは体調があまり良くないのに、無理してインタビューに答えてもらった。やさしいのだろう。目の前のオレンジジュースには手を付けず、20分も過ぎたころ、やっと「いただいていいですか?」と言うのである。
ただ、やさしさは勝負の世界では邪魔になることがある。コートではより厳しくありたい。アテネ五輪の出場を逃し、その思いが強くなったのだ。改名もその表れだろう。バレーでは『麻紀子』改め『眞紀子』でいく。あの田中眞紀子の眞紀子である。
「田中眞紀子さん的イメージがあるので、友達からきつく見えると言われたんですけど、コートではきつくみえてもいいのかな、と」。ふいに火の塊は吹きこぼれる。
好きなフレーズが『神様は超えられない試練を与えない』。う〜ん、なんとなく哲学的ではないか。そう、胸を張って進めば、何事もクリアできるのだ。話を聞くうち、笑顔の“マホ"がさらに大きく見えてきた。
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