◎ｲﾝﾀﾋﾞｭｱｰの目
ﾓｯﾄｰを聞いて､ﾄﾞｷﾘとした｡
「『目には目を 歯には歯を』です」｡そうﾊﾑﾗﾋﾞ法典や旧約聖書の言葉である｡なんか､こわ〜い｡「最初はやられたらやり返すみたいな感じだったんですけど､もっとｶｯｺよく､負けてばかりはいられないので」
よほど頑張り屋なのだろう｡ﾁｬｰﾐﾝｸﾞな笑顔にも､目元には意志の強さがのぞくのだ｡小柄な体ゆえ､勝負の世界､なめられては生きてはいけない｡打って､拾って､打って｡ﾕﾆﾌｫｰﾑの下には熱いﾏｸﾞﾏを宿しているのだ｡
「負け勝ち」とは､柳本監督が好む言葉である｡心意気次第で､負けの中に勝ちの芽が芽生える｡おそらく吉澤さんも､負けるたびに逞しくなってきたのではないか｡
「全日本のﾚｷﾞｭﾗｰをだれにも渡したくない」｡その心意気やよし､である｡まだ21歳｡どんなことが起ころうと､こんな選手は最後には笑うんだろうな､きっと｡
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