◎インタビュアーの目
ホテルのカフェでのインタビューだった。目の前のオレンジジュースには手をつけず、ストローの袋をずっと、両手で小さく、小さく丸めていた。シャイなのか、照れなのか。コートの堂々たる態度とはちがい、初々しい仕草なのだった。
色白で清楚な顔立ちである。「あの〜」。終盤、同席したフジテレビのスタッフに深刻そうな顔で切り出した。「テレビの選手紹介にあった、わたしの、なんとかの姫って、使われてしまうんですか。みんなに笑われるんです」
キャッチフレーズの『攻守に輝くカオル姫』のことだった。たしかに、姫というのはちょっとなあ〜。「わたし、姫っていう感じじゃないんです。女の子らしくないんです」
ささやかなる抗議だった。意外におっちょこちょいという。買ったばかりの28万円のパソコンにジュースをぶっかけこともある。「ばっと逆さにして。キーを1個1個外して、綿棒で拭いたんですけど、キーを押して戻るまでに時間がかかるようになったんです」
実は陽性のキャラだった。好きな言葉が『努力』。宝物が『家族』という。日々全力、ガッツプレーがウリの"根性娘"が全日本に新風を吹き込むのだ。
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