◎インタビュアーの目
正直な人である。感情が顔に出る。アテネ五輪の話が出た時、笑顔がぱっと消えた。きっと、雰囲気に飲まれた自分に傷ついたのだろう。いらついて、さみしくて、泣きたくなったのだろう。「でも、すごくいい経験でした」。骨太な勝負魂を搭載する“元気印"は笑顔でチームの先頭に立つのだ。
野暮は承知で、素朴な疑問を投げかける。なぜ、そんなにうまいのか。レシーブはもちろん、スパイクのブロックアウトは、もはや「伝統工芸」である。小柄なレフトエース。「それしか自分が生きる道がないので」。そりゃ、そうだけど。
全日本のデビュー戦のロシア戦。まっすぐ打っては、ブロックされた。監督の「おまえ、そういうので通用するかっ」と言われ、奮起する。時には先輩と、時には一人で壁に向かい、ひたすらブロックアウトの練習に励んだ。その結果、「これだ」と開眼したのだった。
明るさの裏に潜むのは、負けじ魂、不断の努力、そして、まっすぐな闘争心である。「昨日より今日、今日より明日が明るい」と信じて生きている。その気概が伝わってくるのだ。
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