◎インタビュアーの目
オーラがある。愛嬌がある。全日本の会見場。なにしろスポーツ紙某ライターが、ときめく調子でつぶやくのだ。「サオリン、きた」。
たしかに気持ちはわかる。天真爛漫の18歳。ほのぼのムードが漂う。インタビューにしても、話す度、「あはは」と笑うのだ。陽気なオーラは天性なのだろう。
バレーの素質は文句なしである。でも、うぬぼれることはない。「勉強になります」「うまくなりたい」と前向きなセリフが頻繁に口をつく。山のてっぺんを理想の姿としたら、木村さんは今、山のどのあたりにいますか、と聞いてみた。すると、左手で黒いテーブルのずっと下の方を指すのである。えっ。どこ、どこ?「まだ麓にも届いていません。だって腰が悪くて、ふつうの練習もできないんですから」
この向上心と素直さはきっと、パワーとなる。伸びシロはでっかい。木村さんの陽気なエネルギーが全日本の躍進を後押しするのだ。
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