◎インタビュアーの目
はあー、最初は別人かと思った。コートの上のド迫力の姿とは違う。髪はちょっと色を落とし、やわらかい笑顔はチャーミングだった。聞けば、集合日の直前、パーマをかけたのだという。気分一新なのだろう。「練習中の私は怖いので、こういう会見の時は明るくしておかないと」なんて茶目っ気たっぷりに言うのだった。
闘将・吉原のあとを継ぐ、全日本のキャプテンである。気負いがあると思いきや、意外と自然体だった。日々全力、という積み重ねの自負があるのだろう。派手な言葉は吐かない。「がんばります、ただそれだけです」
とことんバレーボールが好きなのだ。シドニー五輪の最終予選でキップを逃し、一時、コートを離れた。その後の活躍はご存知の通りだ。たった159cmの体はガッツとバレー愛の塊でもある。だから、つい応援したくなる。木村沙織選手から、こんな話を聞いた。竹下さんからの助言として「人間は心にたくさん引き出しを持っていたほうがいい」と、言われたと。つまり、多くの人の考えを聞く。それが人間の幅を広げていくことになるのだ。
「自分が何色かわからない」と照れる新キャプテンが、どんな全日本の絵を描くのか。本人同様、僕らも楽しみではないか。
[前へ]
[戻る|0.TOP]
(C)フジテレビジョン