◎インタビュアーの目
マルコス選手が加入してから、チームの雰囲気が明らかに変わった。コート内ではお互いに声を掛け合うシーンが多くなり、時には厳しい練習の中にも笑いさえ生まれる。例えばこんなことがあった。ある選手のスパイクをマルコスが顔面でレシーブした。顔を押さえて痛がるマルコス。その選手は一点を取ったわけだから褒められるべきなのに、痛がるマルコスを見て、思わず「ご免」と謝る。マルコスはすかさず「ご免、じゃないよ〜〜」と顔を押さえ切り返す。コート内にどっと笑いが生まれる。選手たちは、マルコスの演技だということを知っているのだ。以前だったら「ご免」という言葉も生まれなかっただろうし、「痛いよ」という声も出さなかった。何事もなかったように淡々と練習を再開したはずだ。しかし、声を出すことによってコート内の空気が密になる。密になれば、試合の時に連係ミスも少なくなるのだ。しかし、マルコス加入の最大のメリットは、攻撃力と守備力に厚みが生まれたこと。身長が183cmと低いものの、スパイク到達地点335cmの高さから打ち落とされる白球は、バズーカ砲のようである。マルコスの加入でアテネへの道のりが、近くなったのは確かである。
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