◎インタビュアーの独り言
王者は、迷っていた。勝っても勝っても晴れやかな笑顔が作れない。第一の原因は、モータースポーツの人気低迷。その責任をトップドライバーとして大きく感じていた。メディアへの露出が少ないと思い、マネージメント会社とも契約した。取材依頼はほとんど受け、レースの魅力をアピールし続けているという。二つ目は、国内で頂点を極めた選手は当然のように活躍する場を海外に求めるが、モータースポーツの場合は極端にチャンスが少ないため、大きな現実の前で溜息をついていた。本能と理性の葛藤。折り合いはまだついていない。そして、肉親とも言える加藤大治郎を失った喪失感。でも、たくさん悩んだ方がいいと思う。悩まなければ新しい知恵もアイディアも生まれないし、未来への道も見えてこない。諦めてしまったら、そこがその人の限界になる。少なくとも、本山は会うたびにいい顔になっている。本人は高い目標を掲げているため現状に納得ができないことが多いだろうが、その一方で、悩んだ分だけ確実に幸せを手にしているんだと思う。男の顔は嘘をつかない。
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