新ﾆｭｰﾖｰｸ恋物語
田村正和さんｲﾝﾀﾋﾞｭｰ
Q.｢ﾆｭｰﾖｰｸ恋物語｣ を再び制作するという話を聞いた時､ どのようにお感じになりましたか?
A.僕は､ このﾄﾞﾗﾏが15年前に終わった時も､ ｢まだ終わっていない｣ と言い続けてきたんです｡ それくらい僕はこのﾄﾞﾗﾏに思い入れがあったんです｡ その後も､ 15年間､ ｽﾀｯﾌと会うたびに ｢もう一回やりたい｣ という話をしてきました｡ だから､ 今回こうやって制作することになって､ 脚本が出来てくるのが楽しみでしたね｡ あの田島がその後どのような人生を送っているのか…田島も晩年ですしね｡
Q.田村さんから見た､ 田島という男の魅力はどのようなところですか?
A.田島は前回の作品で挫折しましたよね? ｴﾘｰﾄとして表街道をずっと歩んできた男が､ あることが起きてからは裏の世界に行ってしまった｡ それでもう､ 田島の人生は裏側でしか生きられないようになってしまった｡ でも､ 裏を歩いている人間なんですが､ 悪 (ﾜﾙ) になりきれない､ あくまでも自分の生きる美学､ 裏は裏なりの美学を貫き通しているところが田島らしいと思います｡
Q.その田島の "美学" とは?
A.頭のいい男だから､ 考え方や求めるものを変えれば､ ある意味表街道で出世出来たのかもしれない｡ でもそこまではしたくないという…｡ 自分が最初から思っている人生哲学を貫き通したい､ 気がついたときにはやはり裏で生きていくしか仕方がなかった､ といったところでしょうか｡
Q.実際に､ 15年後の田島を演じられていかがですか?
A.前回はﾎｰﾑﾚｽから立ち直った田島が､ またﾀﾞﾒになっているのか､ それともかなり表の世界で大活躍しているのか､ どうなんだろう?という興味がありました｡ やはり (今回も) 裏から抜け出せていない男であり､ さびしいけどこれが田島なんだと印象を受けました｡
Q.それは､ 田村さんが思い描いていた ｢田島像｣ に近いということですか?
A.ほぼそうですね｡
Q.今回田島は､ 自分の娘ほど年の離れた英子 (竹内結子) と恋をするわけですが…｡
A.あの田島がこんなに若い女の子に気持ちが行くということは意外に思うかもしれません｡ 裏の世界の女性とも付き合ってきたであろう田島がそういう女性と一緒になるのではなくて､ 田島にとって天使のような女性…英子が実際に天使のようなのかは分かりませんが…そのような女性に気持ちが向くというのは田島らしいといえば田島らしいですね｡ 同じ年代の､ 同じような世界に生きている､ 酸いも甘いも噛み分けたような女性と一緒になっているのはどこか分かるような気がする｡ でもあえてそうではなくて､ また､ いかにも ｢男女｣ という情で惹かれるのではなくて､ 英子の存在自体に恋をするところが､ 田島っぽいと思いますね｡ 前回は ｢男女｣ 間の話が主体であったけど､ 今回はもっと清らかな､ 老年にさしかかった男と二十代前半の女性とのﾗﾌﾞｽﾄｰﾘｰになっていますね｡
Q.まさに ｢恋物語｣ という印象を受けました｡
A.そうですね｡ 素敵だと思います｡
Q.共演の竹内結子さんの印象は?
A.かわいいね (笑)｡ その一言に尽きます｡
Q.最後にこの作品を楽しみにしているﾌｧﾝの方へﾒｯｾｰｼﾞをお願いします｡
A.あの田島がどんな年の取り方をしたか､ どんな人間になったか､ そしてどういう恋をするのかということを楽しみにしていただきたいと思います｡
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