海峡を渡る
バイオリン

■世界的な実力派バイオリン奏者の一人 アナスタシアが語るストラディバリウスの魔力

陳さんの人生は、バイオリンがまず第一という人生でしたが、私も幸か不幸かバイオリンが第一。
一番大事なものであり、これは仕事ではありません。
バイオリンをコンサートで弾くということは、人間の根本的な気持ち、愛、人を思いやる心、といったものを表現し、人々に伝える、ということだと思います。バイオリンはそれを可能にするのです。

ストラディバリウスの演奏会があると、まるで、陳昌鉉さんのようなバイオリン職人の方が楽屋にやってくることもあります。実際、先日のコンサートの時も日本の職人の方が訪れました。私にとってそれは自然なことで、それほどに魅力のあるバイオリンなのです。
皆、触れるのを怖がって、まるでダイヤモンドでも触るかのようです。
確かに私のマネージャーでさえ、10年付き添ってくれていますが、まだ一度も直接には触らせたことはありません。ですから、草なぎ剛さんがバイオリンを触ったことは大変貴重なことです。

私の弾いているストラディバリウスは1729年製? 300年前のもの。コンディションはパーフェクトではないかもしれませんが、ワインやコニャックのように時間がたつほどに高貴な音になってくるのです。
草なぎ剛さんもとても高貴な方でお会いして感動しました。
目に、内に秘めたものの深さが現れ、とてもよい心を持った人であることが伝わってきました。
そんなすばらしい方と共演できてうれしく光栄に思っています。

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