「姉のお陰で金メダル」
伊調千春&馨
幼い頃からレスリングを始め、今や日本代表として活躍する伊調姉妹。今年行われたアテネ五輪にも姉妹揃って出場しました。48kg級に出場した姉・千春さんは、去年制した世界選手権の勢いそのままに決勝戦までコマをすすめました。決勝では破れたものの、堂々銀メダルを獲得。そして姉の無念を晴らすべく、63kg級で金メダルを目指した妹の馨さん。決勝では一進一退の攻防を制し、金メダルを獲得しました。この金メダル獲得の裏では、姉・千春さんとのこんなエピソードがありました。「(自分の)決勝前に千春の敗戦を見て頭が真っ白になったんです。信じられないと思って、泣いてしまったんですよ。もう試合どころじゃなくなってましたね。千春に会いにいきたくて・・・。試合直前になって千春が走って自分のところに来てくれて『お前は勇気を持って攻めて来い』と言ってくれたんです。それを聞いて決勝戦はホントに自分らしい試合ができました」自分は決勝で敗れた悔しさがあったにも関わらず、妹の馨さんのところにかけつけたという千春さん。それにしても・・・「お前」って言ったんですか?「・・・言ったっけ?言ったかもしれないです。私の決勝戦を馨が見ていたのは知ってたんで、動揺してるだろうなと思ってました。馨にはどうしても金を獲って欲しかったんです。その時、私はドーピング室にいて本当は出れないんですよ。でも『今から妹の試合があるからお願いします』と頼んで出してもらったんです。付き添いの人を付けないと出れないので、日本人のドクターの方に一緒に出てもらって。全力疾走していたら、ちょうど馨が会場に入るところでギリギリ間に合ったんです。馨が金獲った時には本当に嬉しかったですね」こんな姉妹の絆がオリンピックという大舞台でのメダル獲得へとつながったのです。
伊調千春プロフィール
馨プロフィール

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