「野村の優しさは瞬間的」
篠原信一
日本中の誰もが悔しい思いをした、シドニー五輪の決勝戦。疑惑の判定で篠原さんは惜しくも銀メダルとなってしまいました。あの敗戦の夜、篠原信一さんは野村選手のこんな優しい一面を見たのだそうです。「(決勝戦の後)オリンピックのドーピングが終わった時、私の同級生と野村が待ってくれてたんです。(時間は)もう10時前くらいでしたかね。私が来た瞬間に、『センパイ、お疲れさまでした。カバン持ちます』って、持ってくれたんです。そんなん、言われたことないですからね。食事に行った時も柔道の話は全くしないんです。この野村が。スゴイ気を遣ってくれたんですよ。でも、次の日になったら『センパイ、残念でしたね。僕、金メダル2つ目ですよ。日本に帰れないですね。1つ貸しましょうか?』と、そんなんですよ。(優しかったのは)一晩だけです」と、一晩でいつも通りの野村選手に戻ったとのこと。野村選手、そうなんですか?「試合の後はホンマ、こんなにイイ人なんかと思うくらいイイ人やったんです。試合負けた後は。自分らもああいう結果になって、悔しい気持ちも分かるから気を遣うじゃないですか。それをさせまいとして、スゴク気丈に振舞うんです。その時だけは心が揺れたんですね。ま、1日だけでしたけど」…野村選手、正確にいうと「一日」ではなく「一晩」です。
・篠原信一プロフィール
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