「落ちたら、終わり」
野口健
25歳で七大陸最高峰の世界最年少登頂記録を樹立したアルピニストの野口健さん。登山時、最も注意を払うのが、山の斜面にできた深い溝・クレパスを渡る時。深さ100mにも達するともいわれる谷底に落ちてしまわないように、アルミ製のハシゴをかけて渡ります。一瞬の油断が生死を分けるというこんな瞬間を野口さんは何度もすり抜けてきたのだそうです。「クレパスがあるじゃないですか。長いとアルミのハシゴを3つか4つ繋げて渡るんですよ。靴の底にあるスパイクも金属なんで、ハシゴも金属ですから、金属と金属なんで滑るんですよね。クレパスっていつも動いてるんで、クレパスが縮むとハシゴが『グニャ』となるんです。そこを歩くんで、たまに落ちる人がいるんですね。落ちるとアウト(助からない)なんです。落ちたら助けようがないんですよ。要するに気をつけようがないんですよね。渡り終わった時に『セーフ』って感じなんです。8000mぐらいのところでは、一気に登ると高山病で死んでしまうんで、ベースキャンプから(目的地まで)何往復もするんです。何度も登ったり降りたりして(高山病にならないように)体を慣らすんです。ですから、毎日ハシゴを(使ってクレパスを渡り)登ったり降りたりしてるんです」野口さん、相変わらずすごいことをサラッとお話して下さいます。

【プロフィール】
野口健

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