「やっぱり天才」
野村忠宏
前人未踏の五輪3連覇を達成した野村忠宏選手にとって、忘れられない試合となったのが、アテネ五輪の前年に行われた世界柔道。なんと3回戦の残り20秒で逆転され、まさかの予選敗退を喫してしまいます。しかし、天才柔道家は敗戦のショックに崩れることなく、敗者復活戦で一本を連発して勝ち上がります。本来の切れ味鋭い技を取り戻し、執念の銅メダルを獲得したのです。天才にとって、この屈辱意的敗退はどんな風に感じていたのでしょうか?「この負けはね、現役生活の中で一番悔しかったですね。それぐらい屈辱的で。日本の柔道選手の場合、金メダルしか見てないですから、敗者復活に回った選手っていうのは、モチベーションが落ちてよく負けるんですよ。自分もそんな感じで負けたりして。自分のことよく知ってる篠原先輩なんかは『野村は敗者復活出てけへんやろ』という感じやったんです。自分も銅メダルなんかいらんと思ってたんですよ。金メダルじゃないと嫌やったから。(浜田の「でも銅メダルですよ」の言葉に)いらないんですよ。これは銅メダルが欲しいんじゃなくて、アテネのために敗者復活に出ようと。(オール一本勝ちを見せたことについては)天才でしたね。この敗者復活に出たことで『やっぱり強い。今回負けたけど、世界で一番技切れるんは俺や』と。こんな感じで試合できたら、アテネでも金メダル獲れると思いましたね」と自分の天才ぶりをこの敗者復活戦で確認できたのだそうです。

【プロフィール】
野村忠宏

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