「ゴメンよ」
野口健
エベレストや富士山に登頂し、山々のゴミを持ち帰る清掃登山で世界的に名高い野口健さん。実は、若くして快挙を成し遂げたアルピニストなんです。16歳でヨーロッパ大陸最高峰のモンブランに登頂。その後、北アメリカ大陸のマッキンリーを始めとする、各大陸の最高峰と言われる山々を制覇。99年には世界最高峰のエベレスト登頂に成功し、25歳で七大陸最高峰の世界最年少登頂記録を樹立したのです。しかし、この登頂成功は決して嬉しいものではないのだとか。それは一体なぜなのでしょうか?「よくテレビを見ると(登頂に成功して)山頂に昇ってバンザーイ(とやっているシーン)で終わってるじゃないですか。あれはそんなことなくて(そんなに単純なものではなくて)、エベレストって1000人ぐらい登ってますけど全体の中で約300人亡くなってるんですよ。だから亡くなった方の遺体が(山の)いろんなところにあるワケですよ。山頂直下と言って幅が1mくらいしかないところに、99年の時は亡くなった方が2人(重なるようにして)倒れてたんですよ。(幅が1mしかないため)両サイドは崖ですから避けようがないんです。だから『ゴメンよ』って言いながら登って行くんです。だから登頂しても嬉しくないんですよね。登頂しても終わりじゃなくて(全体の3割)ぐらいなんですよね。下山中の方が圧倒的に危ないんですよね。山頂に立った瞬間に『しまった』と思いましたね」サラッとお話になられた野口さんですが…とにかく、世界の名立たる山々への登頂はとんでもなく過酷な環境にあるようです。

【プロフィール】
野口健

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