ジャンクSPORTS
-ファンタスティックストーリー-

6月21日
「名将の野望」
○野村克也

「俺からボヤキが消えたら終わりだっていう。ぼやいている間は元気やる気がある証拠だから」

試合後、いつもの場所で「ぼやく」一言はユーモアに富んでいる。
湧き出るボヤキと共に、楽天イーグルスは快進撃。
野村監督には密かな野望がある。

今シーズン、野村監督率いる楽天は、球団史上初の開幕4連勝。
さらに、愛弟子の活躍によって史上5人目となる監督通算1500勝を成し遂げた。
今月末で74歳。プロ野球史上最年長監督となった。
常に葛藤している。

「監督がこんなこと言っちゃしょうがないんですけど、右往左往しているのは事実なんですよ。人間が絶対勝てないものに時代と年齢っていうことをよく言われるんですけど、確かにその通りでね。時代の先を行くような乗り遅れないような野球をしていないと」

その言葉通り、常に時代を先取。
ID野球を駆使してヤクルト時代、日本一へ。
そして、今年は、チーム結成5年目の楽天にし烈なAクラス争いを演じさせている。
それでも名物の「ボヤキ」を聞かない日は無い。

「ボヤいているつもりはないんですけど、僕が喋るとボヤキに聞こえるんですよね。ボヤキを定義すると、理想がありますよね。理想と現実はなかなか重ならない。理想と現実、この狭間にあるのがボヤキなんです」

理想を追い求めるほどに加速するボヤキ。
楽天を率いて4年目の今年、野村監督には、すべてを懸けてAクラスに入らなければならない理由がある。

「言い渡されてますから死刑宣告を。今年引退の花道を作って、と。シーズン始まる前から言われてますから」

今年が契約最後の年、だからこのままでは終われない。
地元仙台のファンをクライマックスシリーズへ。
24年間の監督人生で最大の"野村マジック"を見せようとしている。

「死ぬまで野球をしていたい、これは願望でね。僕の夢は優勝して胴上げされて、落とされたらご臨終。僕らしくて良いと思わない」

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