ジャンクSPORTS
-ファンタスティックストーリー-
5月31日
「コートの不死"蝶"」
○クルム 伊達公子
先日の全仏オープン・予選、彼女は足が限界になるまでコートを走り続けていた。
結果は途中棄権…
なぜ彼女は、動けなくなるまで闘い続けたのか?
「短期決戦で出来るだけ早く壁を打ち破れればいいなと思っています」
現在38歳。限られた時間の中で、彼女は勝負に出た。
復帰会見、彼女はこう語った。
「若い選手達にも刺激になれるようなところまで持っていければいいなと」
その思いを胸に出場した全日本選手権。
刺激を与えるどころか、ダブルス、シングルスともに優勝を収め再び日本の頂点に立っていた。
「全日本に勝ててすごく嬉しかったですね。12年のブランクを経て全日本という目標を掲げた年に獲れたということはそれで次のステップに進めるきっかけにはなったと思いますね」
全日本制覇という結果は、当初の想いを越える新たな気持ちを芽生えさせていた。
それは、アスリートの「本能」と言うべきもの…
「自然に自分の気持ちが、世界でどこまで今の自分として出来るのかと試してみたくなったので、そのまま世界へ」
38歳で日本を再び飛び出した。
戦いに貪欲なトップアスリートの魂をたずさえ世界の舞台に堂々とカムバック。
「自然に見えてくる欲に自分自身が従って素直に歩いていければいいかなと思っています」
4月、海外大会で優勝。
1000人を越えるトップ選手がしのぎを削る世界ランキングも上昇し、その勢いに拍車をかける。
そんな彼女を、今突き動かす欲とは…?
「今はその(世界ランク)100位の壁にチャレンジしたいなというところでもがいてるところではありますね。そこが打ち敗れれば当然グランドスラムでチャレンジする場が増えてくるので。私の場合は5年、10年というわけにはいかないので、短期決戦でできるだけ早く壁が打ち破れればいいなと思っています」
限られる残された時間、再び勝負師となったクルム伊達公子は、本能に従いコートを駆け続ける。
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