ジャンクSPORTS
-ファンタスティックストーリー-
6月15日
「父から受け継がれたバトン」
○中嶋一貴
今、F1に日本人ドライバーの常識を大きく覆す驚異の若武者がいる。中嶋一貴、23歳。
元F1ドライバー、中嶋悟の息子はある日父にこう告げた。
父:
「親父がダメだから俺が仇とってやるって言ってたよ」
かつて父が果たせなかった夢を引き継ぎ中嶋一貴は今、サーキットを駆け抜けている。
今年5月、雨のモナコ。クラッシュが相次ぐ中、一貴はその才能の片鱗を見せ付けた。
『雨の中嶋』と言われた父をほうふつとさせる走りで、モナコに挑み7位入賞。
これまで父を含め15人の日本人ドライバーが挑み、誰一人成しえなかった快挙を達成した。
「期待していた通りの天候でしたし、モナコ一つだけ良くても、(父を)超えたといえるかどうかわからないですけど、しっかりとポイントを取ることができたので、かなり良いレースができたんじゃないかと思います。」
20年前、セナと共に日本にF1ブームをまき起こした伝説のドライバー中嶋悟。
その長男として育った一貴が父と同じ道を歩むことは必然だった。
「父がF1をやっていたことで僕自身もレースに興味を持ちましたし、それがなかったら実際この場にいるかどうか、多分いないと思うので、そういう意味での影響は大きいですね。」
一番近くで父の雄姿を見て育ち、最高峰のレースを肌で感じながら過ごした少年時代。
一貴はそんな環境を素直に受け入れ、いつの日からかF1のサーキットで戦う自分自身を思い描いていた。
そしてある時、父にこう告げた。
父:
「親父がダメだから俺が仇とってやるって言ってたよ」
F1で表彰台に上がることが出来なかった父の仇を討つためいま息子は父と同じデザインのヘルメットで世界最高峰の舞台を戦っている。
開幕戦となったオーストラリアGPでは、いきなりの6位入賞。
レギュラードライバーのデビューとしては父の7位を上回り日本人最年少記録を樹立。
そして第4戦、スペインGPでも7位入賞と、着実にトップドライバーへの道を歩んでいる。
「やはりドライバーであるからには一番高い所を目指したいですし、それに向かって徐々に進んでいければいいと思います。」
伝説の父から遺伝子を受け継いだ男、中嶋一貴。
日本人が未だ誰も成しえていない優勝を果たしその伝説を超えようとしている。
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