ジャンクSPORTS
-ファンタスティックストーリー-
10月15日
中村俊輔
○壁を乗り越え
ヨーロッパ最強のクラブチームを決める舞台であの男が見せた。得意の左足から放たれたボールは見事なカーブを描き、吸い込まれるようにゴールへ。
名手と言われたGKでさえ、一歩も動くことができなかった。
そんな中村のフリーキックにはある想いが込められていた。
今年、ドイツの地には少年時代からの夢を叶えた中村俊輔がいた。
しかし、その晴れ舞台で日本は1勝もできず、予選リーグ敗退。
期待された中村もミスが目立ち、プレーに精彩を欠いた。
夢の舞台で持てる力はほとんど発揮されなかった。
「そういう壁に当たったりしないと、ね。次に大きくなれないから」
そんな中村は息つく間もなく走っていた。
失意のワールドカップを乗り越え、新たな戦場へ。
「ワールドカップと同じくらい、それを越すくらいの世界最高峰じゃないですか」
世界のトッププレーヤーが集うヨーロッパのクラブチームがNo.1をかけて戦うチャンピオンズリーグ。
中村はスコットランドリーグの王者としてこの大会に出場する。
ワールドカップで果たせなかった、ある決意を胸に秘め。
「フィジカルが強くなくてもテクニックとゲームを読む目とか、想像力を活かしたプレーがある選手は絶対に必要なんだっていうのを、今度は自分でも証明したい」
自らのプレースタイルが世界に通用することを証明するため、日本のファンタジスタは戦う。
芸術的なプレーに磨きをかけ、世界の高いレベルで表現する。
中村は2日後、ポルトガルの強豪との試合で更なる進化を見せる。
そしてもちろん青きユニフォームへの想いも忘れてはいない。
「2010年の時は(10番)をつけて出るのが、一つの目標ですね」
今、中村は世界で己を磨き、4年後、あのワールドカップの舞台に戻る決意をしている。
あの日果たせなかった栄光を掴むために…。
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