ジャンクSPORTS
-ファンタスティックストーリー-

06年ワールドカップを直前に柳沢はある決断をした。
3年間プレーしたイタリアから古巣・鹿島に戻ることを決意。
開幕戦でハットトリックを決めるなど、ジーコ監督にアピールするには十分すぎる最高のスタートだった。

しかしその直後、ワールドカップを3ヵ月後に控えた柳沢を悪夢が襲った。
右足の小指骨折という重傷を負ってしまう。
「ワールドカップ絶望」の文字が一斉にメディアを駆け抜けた。
苛立ちや焦りが募る中、自身との闘いが始まった。

「焦るのが一番良くない部分なので…」

本来ならば、熾烈な代表争いを勝ち抜くため先頭に立ってピッチでアピールしているはずだった。
そんなもどかしさの中でも、柳沢に諦めという言葉はない。

「今はそこ(W杯)に向けてリハビリしてますし、間に合うように出来る限りのことをして希望を持ってやりたいと思います」

今月中旬、ようやくジョギングを開始した柳沢を「無謀な挑戦」という者もいるかもしれない。

だが、10代の頃より背負った「日の丸」への誇りは誰よりも強い。
日の丸に対して誰よりも誇りがあるから、必ずもう一度あの舞台へ。

「ピッチの上で歌う国歌というのは、体中がシビレるし興奮するし、やってやるぞという強い気持ちになるので、不思議な力があるなと感じますね」

ワールドカップが約1ヶ月後に迫った今、柳沢にできることはドイツの地に立つ自分の姿を信じること。
そして、その時こそゴールを決め、4年前の自分にリベンジを果たす。

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