ジャンクSPORTS
制作部長室

マカオグランプリは、カーレースがまだ珍しかった1954年に開始されて以来、今回で53回目を迎える歴史のある大会です。
4日間の開催期間中、バイクからフォーミュラカーまで様々なカテゴリーのレースをほぼ一日中見ることが出来ますが、メインは日曜の午後に行われるF3の決勝レースです。
アイルトン・セナ、ミハエル・シューマッハー、そして佐藤琢磨等は、マカオで優勝してF1に羽ばたいていった事で有名です。
モータースポーツの世界で若手の登竜門的なレースとして世界的に認知されているのが、このマカオグランプリです。

それにしても、今時こんな公道レースが堂々と国家レベルで認められているのですから、これもお国柄というしかありません。
何しろ、ほとんどエスケープゾーンの無いコース設定は危険極まりなく、毎年の様に死傷者が出るそうです。
2kmに及ぶ直線のストレートエンドが直角カーブになっており、尚且つ道幅が狭くなるという、リスボアホテル前の第一コーナーはほとんどのレースでクラッシュシーンに遭遇しました。
欧米や日本のサーキットなら即座にコース設定が変更になる筈なのですが…。
うーん、ここではどうもクラッシュが無いと満足しないのですかねぇ。

それから、さらにびっくりしたのが二輪のレースです。
これはもう狂気の沙汰といってもいいでしょう。
目いっぱい倒したライダーの肩が、イン側のウォール(ガードレールの場合もあれば、500年前からの石垣の場合もあります。)ぎりぎりを通過するのですが、しばしば接触しながらコーナーを駆け抜けるのです。
超高速の世界ですから、ちょっとでも突起物に引っかかればすぐにアウト側に弾き飛ばされる運命です。
さらにライダーの視線は完全にブラインドになっている筈です。
このコースをフルスロットルでバトル出来るライダーは「何かがおかしい!」
毎年のように死傷者が出るのがお分かりになったでしょう。

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