ジャンクSPORTS
制作部長室
当時、横綱は23歳でしたが、既にモンゴルの英雄でした。
なにしろ、横綱と同じ飛行機で空港に到着すると応接室に通されてパスポートを預けるだけで入国完了。
市内の移動はパトカーの先導付きのうえ、辻々の警官が全ての信号を青に変えて待機してくれます。
現役大統領を始め地元有力者とも懇意にしていたり、まさに英雄に相応しい凱旋ぶりを目の当たりさせられたものです。
一方で、横綱は地元の少年達を束ねて面倒見ていたり、多額の寄付によって市の中心部に自らの名を冠した公園を作らせたり、ファミリービジネスの拡大に意欲を持っていたり、社会人としての才覚も随所に垣間見せます。
当時、そのやんちゃな言動が物議を醸す事も多かった横綱ですが、僕から見た横綱は23歳にしては出来すぎた大人そのもの。
横綱が日本で稼ぎ出した報酬の一部をモンゴルに持ち込むだけで、天文学的な数字の現地通貨になってしまう経済力と抜群の知名度を武器に、様々な政治力をも手にしつつあった時期だったのです。
久しぶりに会った横綱はいつもと同じやんちゃな笑顔で迎えてくれました。
恐るべし、朝青龍明徳・25歳!
相撲の実績も凄いけど、将来のモンゴル大統領候補というのも、充分にうなずける話だと私は思います。
9月6日
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