生きててもいい…?
〜ひまわりの咲く家〜
◇from producer
前回の『ぶどうの木』より、今作は問題提起が深いです。里親制度とはとても大切なものだけれども、一方では非常に難しいことだと、より一層の自覚をもって制作にあたっています。
自分自身としては、前作の放送にあたって、視聴者の皆様や関係者の方から『感動した』という感想を頂き、喜ぶ一方で、ただ感動してもらうだけではなく、本当に理解してもらえたのだろうか? と疑問が残っていました。本当に理解していただくためには里親側だけではなく、里子の目線からも描きたい……と思っていました。
しかし、この題材はフィクションでドラマ化するわけにはいかず、実話をもとにしないとできないと思っていました。真実を語るには、しっかりとしたソース(題材)が必要だと考えていました。そんな時に、連続ドラマのスタッフでメイクを担当する女性が里子を体験していることが分かり、話を聞く機会を得ました。仕事で既に親しくなっていたので、フィルター(構えて)なく壮絶な人生を語ってもらうことができました。そして、その中に、まさしく子供側の悩みや里親制度の問題点が見えてきました。
彼女の経験を出版しましょうと話を持ちかけ、即答で了解していただき、ドキュメント本が出版されます(2月10日発売:幻冬舎刊)。それを脚色して今回のドラマにします。親が育ててくれない子供たちに対して、大人の社会が何をできるのか? 制度も大切だけれど、制度を超えるものは何なのか? を考えるきっかけになってくれればと思います。また、ご本人を追うドキュメンタリー(2月26日「ザ・ノンフィクション」で放送予定)を撮影中です。原作、ドキュメンタリー、ドラマをセットで読んで、観ていただければと思います。
プロデューサー 栗原美和子
0.サイトTOP
(C)フジテレビジョン