実録・小野田少尉
遅すぎた帰還
- ストーリー -
昭和49年3月、ルバング島での30年に及ぶ諜報活動を終え、陸軍少尉・小野田寛郎は祖国日本に帰還した。終戦から30年を経ての生還。
きっかけは、後にヒマラヤで雪男を追いかけ遭難死した冒険家・鈴木紀夫との出会いからであった。
それまでずっと小野田は部下二人とジャングルの中でゲリラ戦を戦い続けてきた。露をしのぎ、雨をさけ、火を起こし、さそり、毒蛇、蛭、獣たちから身を守りながらの果てしない戦いの日々。闇にまぎれての移動。危険なため穴掘りはせず、火薬を乾かし、銃を磨き、いつでも撃てる体勢での就寝。生水を温め殺菌する。干した果実を携帯し、野放しの牛を捕らえる。ニッパ椰子の葉で屋根を組み、豪雨に耐える。その椰子の果肉を煮詰めて油を作り銃の手入れをする。壮絶な時間が過酷に過ぎ、そして、部下の島田伍長が死ぬ。さらに、最後の兵、小塚一等兵も祖国への思いをはたせぬまま、亡くなる。小野田は一人残されるが、本国からの救出隊が出向いてきても、帰還命令の書式が違うため、敵の陽動作戦だと思い、帰還命令には従わない。
しかし、日本から小野田を探しにジャングルに潜入した鈴木紀夫と遭遇したことで、かつての上官・谷口陸軍少佐がフィリピンに赴き、ついに小野田に作戦の中止を命令する。戦争が終わってから、実に29年もの歳月が流れていた。そして、ようやく小野田にとっての終戦となったのだった。
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